概要
よくある充電しながら音楽が聞けるタイプのiPhone向け中華DACが死んだので分解してみました。 (本稿では分解のみで、特に改造等は行っていません。)
ことの始まり
iPhoneで3.5mmミニジャックが廃止されて幾年も経ちますが、私は未だに有線のイヤホンで音楽を聴きたいタイプの人間なので変換アダプタ的なものを愛用しています。 見た目がAmazonで売ってるそれと同様のものがAliexpressで安価に手に入るので、使い捨て感覚で安価なものを数個まとめて買っては壊してを繰り返してきました。 今回も例によってストックが切れたので新しいものを物色していたところ、死にやすいというレビューがちらほら見られることに気がつきました。そこで、死んだDACを分解して一体全体どこが脆いのか確かめてみたくなったという次第です。
分解
死亡状況
今回分解したのは以下に示す「よくある見た目のDAC」です。
接続部に刺激を与えると78%ぐらいの確率で接続が切れるというパターンで死にました。大体毎回このパターンで死にます。稀に充電だけできなくなる、といったところでしょうか。
3.5mmジャック部の分解
まずは如何にも死にやすそうな3.5mmジャックなどが配置されている部分を分解します。白いプラスチックの部分を比較的丁寧にニッパーで剥がします。
Aliで見た商品説明ではこの部分に様々なチップが配置されていたような気がするのですが、どうやら3.5mmジャックとLightningコネクタしかないようです。一応、拡大して見てみましょう。
どうやら、DACチップ等は別の部分にあるようです。
Lightningコネクタ部の分解
3.5mmジャック部にDACチップが見当たらなかったので、(iPhoneに繋げる方の)Lightningコネクタ部も分解していきます。こちらもニッパーで比較的丁寧に剥がしていきます。
なんかそれっぽいのが付いてました。基板を見ると半田付けが不要なピンのパッドがシルクで埋められているように見えます。かなり力技に見えます。
6ピンのICは充電用のレギュレータか何かだと思われます。(AliにあるLightningケーブル自作キットに同様の部品が付いているのを発見しました。)
8ピンのICと16ピンのICは正体が分かりません。恐らくどちらかがDACの処理をするマイコンか何かで、他方が音をデカくするアンプか何かだと思います。
死因について
分解を終えてテスターを用いてケーブルの導通をチェックしたところ、なんと全ての線が生きてました。刺激を与えると動作が不安定になっていたので、これは意外な結果でした。しかし、使用時に接続が切れてもイヤホンからはホワイトノイズの様な音が途切れなかったので、ある意味これは納得のいく結果でもあります。
詳しい死因については結局のところ分からず終いで、恐らくLightningコネクタ部の基板(実測で0.3mm厚)が何らかの拍子で撓んで配線が切れてしまったものと思われます。
まとめ
本稿では死んだ中華DACを分解しました。分解と簡単な導通チェックにより、死因についてはレビュー等でよく指摘されているケーブルの断線ではないらしいことが分かりました。内部構造が意外と単純でしたので、手頃なUSB DACを見繕うことができればアダプタ自体を自作した方が安定感があって良いかもしれません。