概要
オーブントースターを改造してリフロー炉にします。作成記事は
- 回路編
- 制御編
- 実践編
の三編とする予定です。今回はその内の回路編となります。
はじめに
みなさんSMD部品の実装はどのようにしているでしょうか。私は気合いでペースト半田と部品を基板にチマチマ載せてヒートガンでグワっと温める気合いリフローで実装しています。この方法は少ない部品で基板を量産しない場合においてはコスパが良くて問題がないのですが、実装する部品が死ぬほどある場合や基板を量産する場合においては非常にしんどくなります。特にヒートガンでLEDのような極性のある部品が吹っ飛ぶと脳味噌も吹っ飛びそうになります。
既に多くの方々がホットプレートやオーブントースターをリフロー炉に改造しようとチャレンジされているようで、作例がネット上にごろごろ転がっています。これらの方法は温度管理さえ気をつければ勝手に部品が実装されていくので、SMD部品の実装がかなり楽になるような気がします。そこで今回は後者のオーブントースターをリフロー炉にするやつを真似してみようと思います。
回路の設計・製作
回路構成
ざっくりオーブントースターはAC100Vを電熱線に繋いでいるだけの簡単な構造となっています。そのため、庫内温度の制御は電熱線にAC100Vが印加される時間を制御することによって達成できそうです。電熱線にAC100Vが印加される時間の制御法は色々考えられますが、SSRを使うことで比較的安全かつ簡単に実現することができます。SSRを使用した回路構成例は次のようになります。
回路設計
回路構成図を基に回路を設計していきます。マイコンはSTM32F303K8を採用し、デバッグ用にUARTで色々吐き出せるようにしておきます。また、スタンドアロンで使用することを想定しているので適当なディスプレイとスイッチを配置し、一応冷却ファン用の端子も出しておきます。回路図は次のようになりました。 回路図に記載していませんが、安全のためにAC電源にはヒューズを取り付けています。
基板の作成と動作確認
KiCadでチャチャッと設計して中国の某基板メーカーに発注しました。 ササっと部品を実装します。 特に難しい部分は無く、冷却ファン以外の動作確認は一発でできました。(冷却ファンについては家に在庫がないので動作確認していません)
まとめ
本稿ではオーブントースターをリフロー炉化するための回路基板について設計・製作を行いました。次回の制御編では今回作成した回路基板を使用して制御器設計を行う予定です。